39 ヤラ―一口話―むかしとんとんあったけど。とっても固い人いで、 「あんた、どごさござる」 て聞くど、 「はい、三上のおんつぁさ寄って、こういう用足して、ほれがら相生 て、はいつぁ、嘘こくな嫌いで、その日のことぁ全部語る人いだったど。んだがら、はいっちゃ言葉かけるのも大事、かけねも大事。いや困った人なもんだ。ほして、汗出し出し語るわけだど。 「今日は、どさござるっす」 なて聞くもんだら、頭ええくて、次から次と、とうとうと喋るもんだから、いそがしい時なの、言葉かけらんねがったど。 ある人教えだど。 「ほんでは、君、正直わがっけんど、言葉かけた人、頭痛くなるんだ、はいつ聞いてるに」 て、 「ああ、おれもほう思っているんだげんど、まず、少し ていうたて。 「いや、あるんだ」て。 「んでは、なぜ言うどええなだ」 ていうたば、こういう風に教えたど。 「どさござるていうたら、〈ヤラ〉さ行ぐていえ」 「〈ヤラ〉ざぁ、どういうわけだ」 ていうたらば、 「あそこやら 「どこさござる」ていうど、 「〈ヤラ〉さ行ぐ」 いとも簡単だったって。どんぴんからりん、すっからりん。 |
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