12 雨の降る孔―一口話―

 兄弟二人が竿で、何やら満天の星の降るような夜、お星さまごそ、あのうっとうしい。
「雨の降る孔だ、振り落せい!」
 ていうわけで、竿をふり廻したれば、ほごさ親父出はて来て、
「下では、(とじ)がねがら、屋根上さあがって、(はた)げ」
 ていうたけど。
>>竜宮童子 目次へ