47 おさとさわいち

 むかし、ある村の若衆が道端で、下刈りしったんだど。したれば下の方がら男の座頭を女の座頭が、何やらヒソヒソ話しながら来たんだけど。
「ここら辺まで来たら、人なの誰もいねべぁ」
「どれ、きいてみっか」
 なて、
「山寺方面どっちだべっす」
 なて聞いだんだど。みんな口さ指あでで、「シーッ」て黙っていだれば、
「ああ、だれも居ねようだ」
 なていだけぁ、いきなりおっ始めだんだど。若衆だ面白半分で萱の棒で女の方の尻つっいだんだど。したれば、
「ほっと、アブがきた」
 今度、男の方はつっいだれば、
「こんだ、こっちゃ来た」
 なて、ゆうゆうとやっているんだど。若衆、面白ぐなて、「アハハー」て笑ったれば、抜くが早いか、杖棒(つれんぽ)おっぶるます(廻す)のが早いがわかんないがったど。
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