37 かかなくとも

 むかし、ある村に後家親父と若夫婦といだけど。ほごの親父は本好きで、どんな本もすらすら読む。まるで学者みだえだけど。
 んだげんど、絶対に書くことはさんねけど。ほして、また息子さ、
「野郎、にさ、決まったら嫁コ、こっちゃよこせ」
 なていうて、嫁ともできていたなだけど。
 人詠んで
  ○○吉や書か(嬶)なくとも
    読め(嫁)さえすりゃ学者なりけり
>>ぬるくす男 目次へ