34 畳が敷いてあった

 少々のろまな若衆いだけど。働くばりで可哀そうだからていうて、友だちだ、女郎コ買いに ()て行ったんだど。
 ほして、帰って来てから、
「あんにゃ、あんにゃ、どうだった」
 て聞いてみだれば、女郎コざぁ、ええもんだて感心したけど。「なして」て聞いで見だれば、
「あそごさ、畳敷がってだけ」
 て言うたど。「なして…」てきいだれば、「先のところさ、畳の跡ついっだけ」て言うた。女郎コだ、あんまり小馬鹿くさい奴なもんで、蒲団から外して畳さはじがせだなだけど。
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