28 米千里

 「米千里、栗九里、麦八里、稗が七里に、粟六里、にどいもが五里、南瓜が四里で、大根三里」というのは、そのものを食えばそれだけ旅が続けられる。
 クリよりうまいという南瓜は十三里とよく言うたが、それからだったそうな。ここらの篭かつぎは早篭といえば一里一杯の御飯をやわく炊いて食って走ったそうだ。あんまり余計でも走らんねと言ったもんだ。またあんまり腹減っても走らんねもんだそうだ。一里走っど一杯食って、また一里走っど一杯の御飯を食ったそうだ。
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