１３ 山帰来（ドース・ブドウ）むがしむがし、ある村で癩病になった息子いだけど。外の人は、むろん家の人にも嫌われて山に捨てらっだんだど。何とも仕様ないもんだから、毒でも飲んで死んでしまうべと思って、毒だ毒だて教えらっでいだ草の実を食べて死ぬつもりしたんだど。したれば何だか体が軽くなって、気分がええぐなって、少し皮膚がこわれてしまったところが治りはじめだんだど。これは不思議と思って、次々と食べてみたら、すっかりよくなって、山からまた帰ってきたんだど。家ではみな喜んで、ほの果物のこと、癩が山から帰ってきたがら、「山帰来」または「ドスブドウ」なて言うなだけど。 |
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