5 ぬるくす男むがし、あるところに、とってもぬるくすで、よこのものたてにもしね、むろん働くことなの全然しね、朝寝・昼眠ばりして、なんとも手のつけようがないので、親戚が相談して追出すことにした。でも、母親がかわいそうで、大きな握りめし二つ握って呉呉だ。ところが握り飯背負うなもめんどうくさい、母親に背負わせでもらって道降って行った。ちょうど昼ごろになって、腹減ってきたげんど、降ろして食うのもめんどうくさい。したれば、向うの方から笠かぶって、口開いてくる若者いだど。 「はぁ、あの野郎、腹減っているんだなぁ、よし、一つヤキメシ一つ呉 と思って、 「君、君、腹減ってんなでないか」 て聞いだれば、 「いやいや、おれは笠のひもゆるんでしめんのめんどうくさいがら、口開けで紐しめで歩ぐなだ」 て言うたけど。どんぴんからりん、すっからりん。 |
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