7 芋太郎むかしむかし、じんちゃとばんちゃ、子どもいなくて、子ども欲しい、子ども欲しいて願っていだった。ある時、ばんちゃが川さ洗濯に行った。じんちゃが山さ柴刈りに行った。 ほしたれば、川上からドンブリコ、ドンブリコと大きい芋が流っできた。 「いやいや、すばらしい大きい芋だ」 ていうわけで、はいつ、いきなり、ばんちゃ拾ってきて、家さきて、ほしてお釜でふかして、じんちゃど二人して食うべと思ったげんど、ほのふかした匂いがプーンと来て、何ともばんちゃ我慢さんねくてはぁ、自分一人して食ってしまったはぁ。 ほうしたれば、腹張って腹張って、ほれ、うしろの山の方めがけて、ボーンと屁たっだれば、じんつぁ、柴刈らねで、草刈った(臭かった)ど。どんぴんからりん、すっからりん。 |
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