あとがき

 『安楽城の伝承』(一)を作ったのは、「山形の民話」にお願いして寄せていた だいたものをまとめたものであった。わらべうた、早物語、ことわざ、昔話あり で、口承文芸資料として極めて重要なものであり、散佚を心配して一冊にまとめ させていただいたものであった。
 その後、思い出すままに書いて下さるのをお待ちしたところ、みごとな昔話を いただいたので、「山形の民話」に掲載の予定ではあるが、同時に一冊にまとめ、 『安楽城の伝承』(二)として、研究家その他に早速利用していただくことを希望 してまとめたものである。
 どうぞ話者の意を汲んで利用いただければさいわいである。
 もちろん、話者の佐藤陸三翁の次の作品もいただければ、同様の形で資料とし たいと考えている。資料としての重要度は昔話に限らず、安楽城の民俗について も十分ご存知の翁なので、追々に民俗についても、ぜひおききしたく、ご健康と ご健筆を祈る次第である。

武田正



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