第二部  正月に因むむがし

 小正月の晩に、部落の家に童達が寄って、昔話をねだったものだ。
 小川筋の集落では、童達が開祖の家に集って、そこの夜廻りから、 成木ぜめや、土龍(もぐら)打ちなど手伝う。
 駄賃に餅を焼いてもらい、甘酒を馳走なりながら、古老に昔話を聞 ぐのを恒例とした。正月らしい昔話が語られ、童達もそれを正月の楽 しみにしったもんだったという。

>>安楽城の伝承(二) 目次へ