31 お女伏岩むかしむかし、この支那からの仏教の伝来と共に、七福神というのが入ってきた。んで、たった一人の女の神さま、弁財天、弁天さまは非常に、自分が器量よして言わっでいたもんだから、大いに焼もちやきであった。んで、結婚初夜の契りは、家中さ七福神を祀ってあっから、家の中でやっていけない。悪いこと起る。そう語られ、部落の人も信じておって、部落のはずれさすばらしい大きい岩がある。そこの岩の上が平らで、きわめて景色のええどころだ。 そこの岩で初夜の契りをすることを、部落の集会で決まっておった。んだから誰言うとなく、そこの岩を、お女伏岩というた。 ところが、文明文化が発達してきて、弁天さま、そだな焼もちやかねぐなった。そうすっど、お女伏岩て、先に言うたのが、今では梅干岩というようになってしまった。どんぴんからりん、すっからりん。 |
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