25 まえたけまえたけっていうのは、うれしくて踊りおどっから〈舞いたけ〉だって。踊りおどるほどうれしいから、そういう名前ついだんだど。笑いたけて言うな、何ったて、おもしゃぐなって、おもしゃぐなって、仕様なくて、笑わんなねて。笑いたけには〈大わらいたけ〉と〈小わらいたけ〉てあるって。 先 「はいつ、んだらば、おれ行って笑わせてみんべ」 ていうて、笑いたけ持 「どさ行ぐ」 て、しらべられたど。ほしてっどほこさおさえらっで、 「お前、何と名付った」 とか何のて言わっで、 「こんどいうぞう」 ていうど「今言え」なて言わっで、荷物いきなり降して、「今きたよ」ていうたら、「今きたな、わかってる」ていうたど。〈今〉ていうな姓で、〈きたよ〉ていうのは名前だったど。 ほこさ、さじ一つの笑いたけ、おっぱらまわすと、役人がウフフ、アハハ、アハハて笑って、何とも仕様なくて笑ったどこ、すいすいと中さ入って行って、殿さまさ、 「まだ笑ったことないそうだげんど、笑わせにきた」 ていうど、 「んだら、よう笑わせてみろ」 ていうわけで、ほこさ腰元から何から、露払いから皆いたどこさ行って、風の吹き見て、笑いたけ吹っとばしてやったど。んだど殿さま、ほれ、ほいつ嗅ぐなり、ウフウフなていだけぁ、だんだえ笑い出すのっだなはぁ。ほして御褒美もらって来たっけど。 |
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