18 めくらとつんぼあるどこえ、めくらとつんぼいだっけど。ほの、めくらが、夜提灯かりに来たんだど。 「ちょうちん、貸してけらっしゃい、ちょうちん貸してけらっしゃい」 て。 「なんだ、お前、めくらのくせして、ちょうちんなていらねべな」 ていうたんだど。 「いや、んでねんだ」 「なして」 今みたい、ほれ、ここらに蛍光灯だ何だて、電柱さついでいっど、明るくて何ともないげんど、昔、くらやみで歩ったりすっど、目明きはぶっつかってなんねがったど。んだから提灯持(たが)って歩くと、ぶっつからねがったずも、ほれ。んだから、 「目明き、ぶっつかっから、おれぁ借りんなだ」 て、いうがったど。 あるとき、こんどは、ほれ、つんぼだど。つくずく鶏ば見っだけぁ、 「よっぽど日長くなったんだなぁ」 てだど。鶏、コケコッコー、コケコッコーて鳴いだなば、アクビしったと見っだずも、ほれ。んだから、日長いから退屈してアクビすんなだて見ったど。ほいつば…。 やっぱり、当り前の目の見える人、耳の聞える人とちがって、つんぼとめくらていうな、とんなどこでちがった見方するどこあるもんだてだど。 |
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