8 ごんごさまの由来ごんごさまの由来話。ばんちゃとおかちゃんのことを、〈ごんごさま〉ていう。むかし、阿古屋姫が山形からきて、松の精と恋仲になって、それから男めとらねでしまったど。んだげんども、琴はひく、唄はやるで、非常に優雅な家庭に育ったもんだから、はいつ習いに行く人がいっぱい居だんだったど。 んで、ほれ、ほこさ習い行ぐったって、普通は水呑み百姓では行かんねし、相当の資産家とか旦那衆とか武家の奥さんとか習いに行ったんだど。習いに行くとき米一升ずつ持って習いに行ったもんだど。昔は銭なてほだえないもんだから。 ところが、ほれ、 「一升ずつでは大変だから、五合ずつでええから」 て、米五合持って行くことになったんだど。 んだから、ほの、米五合もって、阿古屋姫さ出入りされる人が、いわゆるその当時はすばらしい地位にあった人だ。結局、あがめた言葉が〈ごんごさま〉だど。んだからその当時の〈ごんごさま〉ていうど、すばらしいおかちゃんであり、ばんちゃであったって。どんぴんからりん、すっからりん。 |
>>ゆき女 目次へ |