9 南の山の馬鹿息子

 むかしあったけど。
 南の山の馬鹿息子いだっけど。嫁の実家さ行ったら、餅搗いてもらって、餅背 負って来 (く) っどき、堀こあったので、ピンとはねたら、ピンになって、ピンピン、 ピンピンと言うて来たら、こんど川あって、川んどこ「ドッコイショ」と跳んだ ど。「餅、餅」と考えて来たの、そいつ「ドッコイショ」に、餅化けてしまったか ら、ドッコイショ、ドッコイショて来て、
「ドッコイショもらって来た」
 て言うたど。
(関場亥之助)
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