40 美女塚と美男塚

 小野小町は非常に信仰家であったらしい。小野小町が美女であったが、癩病ら しいがったんだな。それでカサコが出きたもんだから、家に帰ろうということで、 旅を続けてこっちにきた。そしたら、あそこに、ええ、カサの治るお湯があると 聞いて、お湯にきて、浸っていた。
 そのとき、たまたま美女塚にお詣りに来たんだど。そしてあそこに倒れたとい う。ところが、小野小町の恋人が小柳の方通って川辺を通ったが、今の美男塚で これも倒れてしまった。そんで向かい合って祀ったという。
 美女塚は西向きなので、吹雪でひどいがんべと思って、村人が南向きに直して くれたら、その夜のうちに西向きになったという。またその間に三之烝が家を建 てたが、あれも不幸にあったな。
 それは小野小町とその恋人が両方で眺めているのだから、途中さ家を建てたり さんね。また川辺の伊藤さんの家ではやっぱり途中に新しい家を建てて入ったと き、夜になったていうと、その家がゆすられるということあったど。
(色摩清見)
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