36 オタナサマオタナサマのお祭りに、カレー五枚上げる家あったど。大変な大百姓であった そうだな。そんでその年、カレーが少なくて、大百姓は稼ぎ人 (と) に、魚屋にみな当 らせたごんだど。だげんども、どうしてもカレー四枚しか手に入れらんねがった ど。旦那は、「もう一枚、カレーないくちゃ上げらんね。もう一枚買えないわけはない」 て、怒って、 「そんなカレー、投げてこい」 ていうので、買いにやらさっだ若衆は反対に怒って、一人が、 「おれ、投げてくる」 て行って、自分の家さもって行ってはぁ、旦那には「投げてきた」ていうたど。 「旦那のシンショーはシマイガレー、おれのシンショーはヨカレ」 ていうたら、本当にそれから旦那の家はシンショーが傾いてしまったど。 |
(平田幸一) |
>>米沢市塩井の昔話 目次へ |