7 茗荷(みょうが)
その人くらい物忘れする人いながったど。その人死んだとき、埋 い けた塚に一本 の草が出て来たど。
「こりゃ、何だべ、一体……」
て、不思議にして、みんな、そこの世間の人きて、
「妙だな、こりゃ、妙だな」
て、みんな眺めたど。それで「茗荷」となったんだど。あれ食うど、物忘れす る。んだから、あれを赤子(おぼこ)にあんまり食せんなよ。
(平田幸一)
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