5 かっこ鳥
親不孝者の息子が、おかぁさんが背中さ、かゆいもの出たから、かいで呉ろて 言うたらば、
「そんなもの、かいで呉らんね」
て言うて、跳ねて出はって遊びに行ってしまった。何ともかゆくて切ないもん だから、川端さ行って、岩の上で背中こすっているうちに、濁流にまくれ込んで 死んでしまったど。
おかぁさん かっこよ
おかぁさん かっこよ
て鳴くのだど。かっこ鳥になって鳴くのだど。
(高橋)
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