5 泥棒と旦那
あんまりにも泥棒が流行(はや)っから、おら家でも倉など破られっど悪れから、寝ててみっかなぁ、なて旦那、倉さ寝っだじだなぁ。ほしたら、キリキリてやっぱり高窓のところで、何か道具でやったべな、泥棒が。
「盗人は外から壁をきりぎりす、亭主はここにきっと松虫」
て言うど、その泥棒が、
「すでに首は根切り虫、御縁があればまたもこおろぎ」
て逃げて行ったど。
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