36 ネズミとカエルネズミは、「おれは、水というもの見たことがない。 んだから、カエルさんが水をどこまでも 泳がっで、ええごんだ。おれどこ連れでっ て見ねえが」 「ほんじゃ、お前どこ連れるにゃ、おれぁ 足さびっしり尻尾をつないで、そうして おれぁ背中さのって行かなくてはぁ、駄 目だから、そうしろ」 というもんで、まず考えて、足と尻尾 とつないで泳いで行ったど。そしたとこ ろが、 「それくらい泳いではぁ、たくさんだ はぁ」 というたげんど、 「いや、ま、少し泳がせてみる」 というもんで、そのカエルぁ泳いんだ ところぁ、鷹に見込まっで、天井から、 ダァーと落ちて来て背中にのぼっていた ネズミをくわえたど。そうすっど、カエ ルもブランブランとさがって、両方くわ えらっじゃど。 |
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