30 二人娘
雨ぁ降っても、日ぁ照っても、毎日外 を眺めて泣いてるおばぁさんがいたど。
不思議なごんだというて、尋ねたとこ ろが、
「おれぁ、とんな、まず。二人娘を持っ て、一人は唐傘屋さ呉(け)る、一人は草履屋 さ呉(け)る。雨ぁ降っずど、草履屋が売れね かと思って泣いていんなねし、お天気ぁ ええじど、唐傘は売れねえかと思ってい んなね」
こういう風に毎日泣いてるばぁさんが いだったど。気は心の持ちようで…。
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