23 狐むかしある山さ、木こりがいたとこさ、狐は 狩人に追(ぼ)わっで、その上に犬に吠えらっ で、逃げて木こりの家さ、「どうか、ここさ入れて呉(く)ろ」 と、頭さげっから、入れたそうだ。そ してまず、 「こっちさ来なかったか」 と、こういって、狩人は来たげんども、 いたともいないとも言(や)ねで、分ったなぁ というたげんども、首で向うさ見ろとい うとこで、一生懸命で狩人さ合図したげ んども、その合図見つけないで、来ない と言わっじゃもんだから、行ったそうだ。 んだから狐はではって礼もいわねで、た だ行くところだけど。 「なんだ、狐。生命助けてもらって、な んと狐だっても、そんじゃなんねえんだ」 と、こういうたところぁ、 「お前の心わかったから、助けて呉(け)っこ んだらば合図しないったって、幸に、そ れを見つけねで行ったから、生命助かっ たんだから、お礼言わねくったってええ」 と、こてんこてん、言わっだど。 |
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