10 ライオンといるか

 ライオン、年取ったの、仕事もさんね し、働いても食んねんだし、海辺さ行っ て、ずうっと海辺を歩(ある)ったところが、い るか見つけて、
「いるか、いるか、おれと話しろ」
 と、そしているかと話して、
「おれはこういうもんだ、まず、ほんじゃ 友達になって、お前いろいろな時、どっ ちも助け合いして、まず友達になって いっど、ええがんべな」
 と言う二人の話でいたところが、ライ オンが何かにやって、年を取ったもんだ から、敗けそうになって、海のいるかど こを呼ばったそうだ。海のいるかはそう いう風な話だけげんど、とにかく陸さ上 がってみれば、分んなくて、唯そういう 風な音きいっだだけで、助けに行がんね がったそうだ。ライオンが、
「嘘語って、おれぁああいう風に苦しん だとき、丁度海にいてで来ないざぁ、あ がえに約束したな」
 なて、まずごしゃえだごんだ。
「おれは海の者だほでに、陸さとっても 上らんねがら、陸と海のもの、友だちに なったって、分んねこりゃ」
 と分ったど。
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