42 卵うりある暮方、卵うり来たのさ、「なんぼだ」 「十円だ」 と言うのさ、 「ほんじゃ高いから、三つ十円にしろ」 とか何とか、また値切ったそうだもな。 そしたところが、 「そがえなことして、卵はもうけがない し、売らんね」 「ほんじゃ、ここさ置いて、なんぼあっ か数えろ」 というもんで、少し斜めになった卓子 の上さあげたど。そのうちに転ぶもんだ から、卵をかかえているうちに、旦那も 出きてこないで、何とも仕様ないうちに 犬出はって来て吠えらっじゃもんだから、 魂消て手とったら、みな落ちて、みなつ ぶっだど。んだから三つ十円に買うごで はぁと、買わっじゃど。 |
海老名ちゃう |
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