40 沖田和尚さん狐に化かさる

 宝岳寺の先住沖田和尚さんは中島に法要へ呼ばれて行った。和尚さんは大の酒好きだ。ちょうど真夜中頃、南の畑地辺で助けてくれと連呼する。喜兵衛さんが何ごとだろうと声をたよりに行ってみると、それが沖田和尚さんだった。湯に入ったつもりで肥溜に入っていたのであった。それから宅から衣類を持参して連れて帰ろうとしたけれど、自分は床に寝るというて、きかない。喜兵衛さんここは南の畑で寺ではないといっても、なかなか聞かないで衣物をかけて寝ようとしたということである。
(露藤)
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