11 てんば張り鎮守堂に泊る
昔、てんば張りという者はおった。十人・二十人と隊を組んで、堂宇や萱野あるいは山、と十日二十日泊り続け、また旅を続ける。親方があって規則は正しい。歩くときには裸足で野でも山でも自由に歩くし、衣物でも食事の道具もみな持参して歩いたものであった。夏季には蚊帳をつって泊った。しかし悪いことをするということはない。女房子ども連れであったといわれる。鎮守さまに泊った時は一カ月もおったという。
(露藤)
>>つゆふじの伝説 目次へ