43 二つ三つ四つの歌会お姑ダダ(母)と娘とアネコ(御飯炊きの下女)いたったと。あんまり姑と娘とは 〝あれ〟 なもんだし、今日はお正月休みなんだから、歌会したらええがんべと親父が言うたったと。「必ず、歌の尻さ 〝二つ三つ四つ〟 とつけて歌作りしたらええがんべ」 そしたらば、姑ダダは、 「お前(にしゃ)、先に作るんだ、それとも俺から行くか」 やがてみな臑(すね)も太れば気も太る 可愛いいさかりは 二つ三つ四つ そうしたれば、娘が、 いろちゃんに貰った文はうれしいが 読めない文字が 二つ三つ四つ と、詠んだと。そしてアネコの番になって、 たまさかに会うたうれしさ夏の夜の 汗をかきかき 二つ三つ四つ と詠んだと。とーびんと。 |
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