35 キビとアワ
あるとき、友だちが一生懸命で畑の草とりしった。ほうしたれば、ほこ通りかかって、
「おう、
君
(
きび
)
、何しった」
「なんだ、おえない野郎だ。人ばキビだの何だのて言うて。んだらば帰り、おれあの野郎ばアワて言うて
呉
(
け
)
らんなね」
て言うた。どんぴんからりん、すっからりん。
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