21 納豆の由来(2)

 加藤清正の朝鮮征伐した。ほんどき、食糧難におそわっで、海上では日本の水軍が負けた。陸上では非常に活躍したげんども、海上封鎖さっだため、日本からの補給が続かねがった。ほして朝鮮の現地から取上げたところの豆でもって、豆を煮て、弁当にして持って歩った。
 そして春先、その(つゆ)がしたたるもんだから、藁のツトコさ入っで、そして背負って歩ったところが一日(ひして)背負って歩ったときには、ほだんでなかったげんど、二日目になったれば、何だか、かぶっだようにおかしげになった。
「こりゃ腐っだから食んね」
「いや、こだいいっぱいのもの投げるのもおしい」
 て言うわけで、ある人がそっと指つっ込んで食ってみたれば、
「いや、こりゃ何とうまいもんだ」
 なんとうまい、なんとうまいと言うの、いつの間に訛って「納豆」になってしまった。どんぴんからりん、すっからりん。
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