1 お釈迦さまの悟り

 天竺の国さお釈迦さまていう、えらい人いだんだけど。お釈迦さまは王様の一人息子に生まっで、何不自由なく、お城の中で暮していだんだけど。ところが、ある日、ふとお城の(かこ)いの外をながめてみたれば、百姓やら町人やら、いろいろの人が額に汗して、えいえいとして働いていだんだけど。はいつ見っだお釈迦さまは、たまらなく無常感じて、ものおもいにふけって、ほして山の中さ入ってって、修行はじめだんだど。
 何年も何年もいろいろなこと考え、ほして元着て行った着物なのはぁ、ボロボロになって、跡形(あとかたち)もなくなるほど修行しったんだけどはぁ。その難行苦行の中でたった一つのこと悟りをひらいたんだど。
 はいつは何かと言うど、世の中のものは生まっだり、なくなったりしない。増えたり減ったりもしない。形が変るだけだ。いわゆる不常不滅の法則ていうのを発見したんだど。三千年たった今でも、この科学の進歩した今でも、三千年前教えたお釈迦さまの法則が決して間違っていないど。ありがたいこと教えたんだど。どんぴんからりん、すっからりん。
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