22 瓜姫子朝、畠さ行ったら、大きな瓜実(な)っていたど。瓜もいできて、そして、「じんつぁ、じんつぁ、大きな瓜だから、まず二人で切って食うべ」 て、割ってみたど。したら中からきれいな娘が出てきたど。そしてそれ見て、 「瓜の中から出たから、瓜姫子と名付んべ」 て、瓜姫子と名付けて、二人で大事にしてはぁ、飯養って食わせではぁ、大きくおがしたど。そして段々と大きくなって、 「瓜姫子、何好きだ」 ていうたら、 「小豆(あずき)飯(まま)、いちばん好きだ」 て。小豆飯さ魚(とと)かけて大きく育(おが)したど。そしてこんど、 「商売、何好きだ」 ていうたら、 「機織り好きだ」 てだど。そして毎日機織りしてるどこ、天邪鬼は、けなりくて、毎日来て寄っだくて見でっこんだど。 「天邪鬼が来たときは、決して寄せんなよ」て。 「また、畑さ行ったり、山さ行ったりすっから、決して天邪鬼を寄せんなよ」 ていうたど。 「指入るほどでもよいから、開けてみせろ。機織っていっどこみせろ」 て。それを、「見せらんね」て、 「髪の毛一本入るほど見せろ」 ていうから、ちいと開けたところぁ、ぐいらっと開けて入ってきて、そしてはぁ、瓜姫子の機さ行って、瓜姫子殺して、ほして知らねふりして、瓜姫子の衣裳着て、瓜姫子のふりして、ちゃんと機さ上がって、機織りしったど、タンタン、タンタンと。 そうしたところぁ、美しい鳥ぁ飛んできて、ほして、 瓜姫子の のり機さ 天邪鬼は のりした キーコ パタン そいつ、機織りやめて、 「この畜生、はあぁ」 て、追(ぼ)っていっこんだど。 「いつもこんなことしたことない。奇態なことだな、じさま」 なて、ばさま。そしたら、ねっから天邪鬼であったど。そんで、じじとばばは天邪鬼ば殺して、そしてカヤで切って、土の中さ埋めて、ほだから、カヤの根っこは赤いどなてなぁ。むかしとーびん。 |
岡田さん |
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