6 狐 とかおすむかしあったけど。狐は、かおすから、 「尻尾、池さ、寒いときに漬けておくと、魚いっぱい喰っつくもんだ」 て教えらっじゃど。 「ほんじゃ、魚いっぱい、ぎじっと獲んべ」 と思って、寒じるとき出て行ったど。狐がよ、そして、ちょくちょくと孔あけて、シガの中さ入(い)っじゃらば、がんがんとシガにぺろっと尻尾はくっついてしまったど。 そして引っぱっけど、取んねがったど。みな尻尾凍みついてはぁ。 「鱒くっついっだが、鯉くっついっだが、ヨイトモショ」 て、引っぱっけども、取っで来ねど。そうしているうちにはぁ、夜明けて、人に見つけらっじゃどはぁ。何ぁ音すっど思ったら、狐、尻尾凍みついではぁ、離さんねぐなったんだけど。かおすからだまさっだんだけど。 |
岡田さん |
>>たかみねと秋田の昔話 目次へ |