20 ほら吹き

 秋に茸とりに行ったど。
 ほうしたれば、大きい茸ばり出っだもんだから、
「これは大したもんだ」
 て思って、手掛けんべと思ったば、大きな蛇ぁ、うさきくわえて、鎌首上げっ だんだけど。
 ほれからこんどぁ、逃げた逃げた、小一里もきて、こんど大丈夫だと思って、 後ふり返って見たば、まだ尻尾パタパタて、あったてよ。
(佐沢・山田喜一)
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