36 西行法師
西行法師、旅して歩くとき、いまちいとで向うの部落見えっから、あそこまで行きたいと思うども、とってもウンコ出て、我慢でなくなって、そして山の上で便垂っだずも。そしてこんど終して、尻拭いて、脇さよけんべと思ったば、ピンと萩の上さ出たな知しゃねで、そして、
「はぁ、これは失敗した」
と思って、その萩見て、
西行はいかなる旅もしてみたが
萩のはね糞 これは初なり
て、歌を詠んだずも。
〈話者 高橋しのぶ〉
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