14 藁しべ長者

 長者さまの下男になってた、仕えていたときに、「お前、家でいらねぐなったから、旅さ出てもええぞ」ていわっで、その時藁一本もらって出たわけだ。そうすっど、途中さ行ったば、牛ひいていた人がきて、
「この牛が大変腹へってっから、藁一本売ってくんねが」
 ていわっで、藁を売ってお金をもらったんだど。
 そしてまた行くうちに反物屋と会って、
「反物、買って呉ろ」
 ていわっで、その金で反物一反買ったわけだ。そしてずうっと行くうちに、だんだん金持になって、藁一本で長者さまになったど。
(関場)
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