11 まま子いじめ

 むかしむかし、かぁちゃんがなくなって、後目(あとめ)かぁちゃんもらいやったんだど。そしてそこに女の子ぁいて、その女の子、何とかして殺すとか何とかいなくすんべと思って、自分の子かわいいもんだから、学校から帰って来っど、
「今日はヘラで萩切ってこい」
「また、今日もヘラで萩、なじょして切ったらええがんべ」
 と思って、その娘いた。そして行くと、じんつぁがいて、鎌かしてくれた。そして切ってくるもんだから、また次の日も…。
 毎日言われるもんだから、そのじんつぁに切ってもらってはぁ、背負ってき、して来るもんだから不思議だと思って、かぁちゃんがこんど、
「ザルで水汲んでこい」
「ザルで水汲みなて大変だ。何として汲んだらええがんべ」
 て思って、その娘考えていたときに、またそのじんつぁでてきて、
「ほんじゃ、このバケツで汲め」
 て、そして汲んでもらってきたど。そしたば釜の上に萩の棒置いて、その上渡れて言わっだど。
   ヘラで萩切れどさ
   ザルで水汲めどさ
   ハギの橋渡れどさ
 て、その娘、毎日その唄うたって過ぎたど。
(関場)
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