27 ソロバンの九九ソロバンの稽古に、お弟子さをいっぱいとってだど。そうしたところぁ、その 中に久七という人ざぁ、習っていだったど。ソロバンの九九を教える。 「キュウシチ、カカシチ…」 なて、佐兵教えるわけだ。 「なんだ、おれぁ名前、ソロバンの九九に教える。まずおれぁ名前出すことあん まぇ、先生、こつなしだな」 て、こんどソロバン置きすっどき、 「サヒョウイチ、サヒョウニ、サヒョウサン…」 て言うたじも、九九。そしたら、師匠にぶんなぐらっじゃしけ…。 |
〈話者 今井勇雄〉 |
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