7 煮立った湯を飲む
佐兵が、
「がらがらと煮立った湯、飲みよう知ってる」
て言うので、
「なじょして飲むのだ」
「こげなもの、何でもない。飲まれるもんだ」
「んじゃ、教えろ。その飲む秘伝教えろ」
「じゃ、貴様、酒一升買え、教えっから」
相手は手品使いにでもなれるもんだと思って、酒一升買って佐兵さ飲ませたど。
「さぁ、なじょして飲むごんだ」
「なぁに、喉など焼けたば焼けるほど、かまわず飲まんなねごで」
て、ただ酒、一升飲まっでしまったど。
(高橋照太郎)
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