18 子産させ婆子産させのおませ婆が、旅人が難産しったから来てけろて言「こっから、おれ、犬きらいだから、犬恐かないから行がねはぁ」 て言うて、戻って行った。帰ってきてみたれば、お礼の金だと思ったな、ほとんど木の葉や何かで、体中、まず狐の穴の中さ入って行ったので、汚っでいだったって。ほして、みんなに、 「なんだ、狐に化かえさっだったべなぁ、ほんでは」 て言わっだれば、落胆すっかと思ったれば、そのおませ婆ていうな、大変気分ええぐして、 「いや、おれは人ばりでなく、狐まで認めだ産婆だから」 ていうて、大変気持ええぐしたていうんだな。そいつも明治に入ってからのはなしだ。 |
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