13 半足わらじ

 ある店でわらじ売ってで、必ず半足つけて売った人いだんだけど。はいつがなぜだかて言うど、わらじていうな、必ず一緒に切れるもんでない、どっちかから切れっからって、一足だど、どっち切っでも投げんなねわけだ。んだから、半つけっど、その半で残った分、大分履ける。とことんまでわらじ履けるていうわけで、その人は殿さまから、お褒めの言葉あったって。
 この辺で、わらじ作っどきは、「ハンクタ(半分)で止めんな、必ず一足にしてやめろ」て言うし、
「ハンクタは峠のかげまで行って投げてこい」
 なて言うたもんだげんども、半ぱものざぁ、作らんねがった。
 ところが、売るに半足つけて売って大変ほめらっだ話あった。
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