13 麦畑

 適齢期の娘っだなね。
「この麦畑から、一番大きい麦をとりなさい、決して戻ることはならん」
 と、こういう風に言わっだど。ほしてこの娘が入ったら、最初大きなあるなぁと思って見でだって。んだげんども、中さ行ったらまだ大きなあるんでないがなぁて、ずうっと行ってみだげんど、結局、最初見だなが一番大きい麦だったていうことで、人生もはいつと同じで、つれ合いになる人ていうのは、最初ええなぁと思った人がええんであって、
「まだええなあるんでないか、まだ大きなあるんでないか」
 ていうてるうちに、ほの、年を腐らがすようになっからていうことを、いましめたていうことだど。
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