8 ほたる姫

 むかし、若い子どもだ、ホタル狩りに行った。
 いやいや、スイスイ、スイスイ、ホタルとんでる。たくさんとって知らず知らずのうちにはぁ、みな子どもだ泣いっだはぁて。家さ行かんねぐなったはぁて。
 したら、どっからどもなく提灯さげっだ少女が来てね、
「わたしが案内してけっからて」
 ていうわけで、
「んだから、こだえこっちまで、お前だ来んな」
 ていうわけで、家さずうっと来て、家の前まで来たら、その提灯がパッと消えだらば、ほの娘がホタルになって、すうっと飛んで行ったって。
「はぁ、やっぱり、ホタルも生きもんだから、無理にホタルとったりしねで、とったたて、こりゃ皆かえして()んなねんだなぁ」
 て考えだったて。
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