50 オットンタカ鳥

 オットンタカ鳥は一日に八千八声さやずらねなんねどな。
 二人兄弟あったどな。弟が悪いどこばり食って、兄貴にええ..どこ食せたなな、 そいつが、
「おれにさえ、これほどええ..どこ食せるもの、弟はなんぼええ..どこ食ったか」
 て、弟の喉押えてみたら、アンクミ....ばかり食ってだどな。
 その罰で、一日に八千八声さやずらねなんねど。自分の食べるものも探して採 らんなねどな。そんで、この辺の山さ行くど、モズかけ..とかて、柴折って蛇だの 蛙だのて、刺さってるもんだ。これがモズぁ、オットンタカ鳥さ採って食せるつ もりで木さ刺しておくのだ。
(高橋きみの)
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