(5)梨と小僧

 むかしあったけど。
 お寺の和尚さま、小僧三人も持ってだけども、そのうちでも、唄詠みの上手な な.いて、そのとき和尚さま、大きな梨買って、しまっていたども、毎日なじょに するもんだか、おらに一つくらい食せてもええ..べとて、一つも食せないずもな。
 ある日、あまり食せねから、謎かけたずも。
   梨一つ、おしみ坊主の抜首は
    切りたくもあり、切りたくもなし
 そう詠まっで、和尚さま仕方なく、カブト脱いで、梨ありだけ出して、小僧に 御馳走したけど。むかしとーびん。
(高橋しのぶ)
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