8 鍬もった和尚

 働くのが好きな和尚さんがいだったど。その和尚さん、あがえに働くことないものを、年令(とし)あがえにとってから働いて、早くなの死なれっど困っから、まず、
「鍬かくすより他はない」
 て、鍬隠したところが、その次の日から寝て起きっざぁない。んだから、
「なえだ、姿も見せね、病気しったんであんまいな」
 寝て起きないで、「なして寝っだ」て言うたところが、
「おれ、毎日、鍬、土から生じて、何でも草でも何でもできてる。そうしてそいつさ種子蒔くじどできるし、ありがたい土、おれぁ、お天道さまはそれをめぐんでおくやって、みんなこうしておくやるな。おれぁそれを有難くて毎日土を掘っていんなだ。働かないごんだら食うべからずだ」
 て、「おれぁ食ねで寝てる」ていうもんで、また鍬持かせたど。ほじゃから働かなくては食んねもんだて教えらっじゃど。
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