8 猫の宮娘、便所に行くたんびに、猫かまわず追かけて行くんだど。「おれさえ便所に行くじど、猫何(な)して追かけて来るんだべ」 て思っていっけども、その娘行ぐたんび、いつなん時でもかまわず追かけて行くんだど。 「なんだって、こがえに追かけて行くべなぁ」 て思っているうちに、その娘はだんだんと青くなっこんだど。 「はてな、猫追っかけて行くんだし、おかしいな、これ」 て思っていたど。あるときおっかさが娘便所さ行くどき追かけて行くので、ごしゃえで猫の首切ったんだど。そしたら便所の上の板さ食っついっだ竜、―娘が行くと、血吸うんだど―猫の首がくっついだんだど。それからざぁ娘、体なおったんだど。そんで猫の宮建てて猫ば祀ったんだど。 |
(中條ちゑの) |
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