6 ネズミの嫁親ネズミざよ、「おれぁ子どもいっぱい持てだもんだから、誰か偉い人さ呉(け)っだいもんだなぁ」て。「ほんじゃ、お天道さまより他てあんまい」 て言うたど。 「ほんじゃ、お天道さまさ呉んべ」 て、お天道さまさ行ったところが、お天道さまで、 「いやいや、おれより偉いのいだ」 て言うたって。 「お天道さまより偉いな、いたて言えば、誰だべ」 て言うたら、 「雲ぁ、おれより偉い」 そしたれば、雲さ行ったずも。もらって呉ろて言わっでよ、雲も、 「おれより偉い人いた」 て、こう言うたど。そしたところぁ、雲より偉いて誰だごどと思ったら、 「風ぁ、おれより偉いごで」 て、だど。そしたところぁ、風ぁ言うたど。 「おれより偉いごで、壁は。おれはなんぼ風吹いても、壁ぁ倒れぁしねから、おれより偉いのぁ壁だ」 て、こう言うたど。そしたらネズミの子ぁいっぱいいて、その壁に穴あけっだけずも。やっぱりネズミの子ぁネズミだど。 |
(中條ちゑの) |
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