24 和尚と小僧― 梨食い―

 小僧いだけど。裏の畑にいっぱい梨なってだったど。和尚もおばさも、
「その梨食うど死ぬから、決して、もがんねぇぞ」
 て教えたど。そうしたところが、和尚さまもおばさまもいない時、もいで食ったってよ。もいで食ったげんども、なんぼ食っても死なねじも。そうして大変にいっぱいもいで食った話だごで。
 そしたら、
「何だ、こりゃ。小僧、裏の梨もいだな」
 て言うたば、
「もいで、和尚さまにごしゃがっでいっから、死ぬかと思ったげんど、死なんねくていた」
 て。そしてみな食わっだど。
(中條ちゑの)
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